マーケティング:節分の「恵方巻き」の次は、初午の「初午いなり」が気になる。

初午いなりの日4

 

節分の夜の「恵方巻き」。今年も各メディアからその市場規模についての問い合わせが相次いだ。市場規模の大小が記念日の価値を決めるわけではないが、記念日を文化として研究する者にとっては市場規模の推計も大事な役割と考え、主な記念日の市場規模を毎年推計している。

今年の節分は従来の太巻きはもちろん、ロールケーキなどの「ニア恵方巻き」の売り上げが大幅に伸びており、幅広い世代で年中行事として定着しているが、節分の市場規模調査は正統派の「恵方巻き」だけでなく、のようなものの「ニア恵方巻き」はもちろん、「大豆(福豆)」「ピーナッツ」「鬼の面」「ちらし寿司」「お吸い物」「イワシ」「お札」などなどもあり、推計540億円。
そして「節分」の次の年中行事となると多くの人が「バレンタインデー」を思い浮かべるだろう。その推計市場規模は1250億円になるが、その前にこれから話題になりそうなのが「初午」の「初午いなり」である。

「初午」とは商売繁盛と豊作の神様である稲荷神を祀る稲荷社のお祭りであり、その神様のお使いとされるキツネの好物の油揚げを食材に、米俵の形にしたいなり寿司はまさにうってつけの縁起もの。「初午」にいなり寿司を食べれば福を招き、3個食べると「命が延びる、名を成す、利益を上げる」の三つの御利益があると日本記念日協会では提案している。それぞれの頭文字を取ると命の「い」、名を成すの「な」、利益を上げるの「り」になる。つまり、「い・な・り」の3つの願いが叶うというわけだ。

2015年の「初午」は2月11日。「建国記念の日」とあって各地の稲荷社は賑わうことだろうが、どれほどの神社やスーパー、コンビニで「初午いなり」が売り出されるのかが気になるところ。写真は2014年の「初午祭」に日本五大稲荷のひとつである長野県佐久市岩村田の鼻顔稲荷の参道で売られていた「初午いなり」。いなり寿司材料のトップメーカーである株式会社みすずコーポレーションが手がけたもの。